【バスケ】トラベリングのメカニズム

[公開日]
[更新日] 2018/06/01

バスケットボールをプレーする人なら誰もが悩むのがトラベリングの判断です。

特に最近はゼロステップなどという概念も出てきており、その境目は非常にあいまいになってきています。

そこで、まずは基本のルールに立ち返りトラベリングの考え方をおさらいしてみましょう。

※本記事は、JBAから出版されている「バスケットボール競技規則2018」に基づいて、2018.05.18に大幅修正を行いました。

3歩の基準

バスケットボールには、「3歩以上歩いてはいけません。」というルールがあるのはたいていの人は知っているかと思います。

ただ、その3歩の基準の認識が間違っている場合が多いように思います。

バスケットボールには、軸足(ピボットフット)という考え方があり、ピボットフットをフロアから離さない限りは逆の足(フリーフット)で何歩でも動くことが許されています。

これをピヴォットといいます。

逆に、ピボットフットをフロアから離した後の動作として、パスしたりシュートしたりすることは可能ですが、

  • ドリブルを開始する
  • ピボットフットを再度フロアにつける

とトラベリングということになります。

これがトラベリングの基本的な考え方です。

したがって、何歩歩いた?と考えるよりも

ピボットフットはどうなっている?

と考えるのが競技規則に沿った自然な考え方であり、理解しやすいと思います。

では、ピボットフットの考え方をボールをキャッチした状況ごとに解説したいと思います。

なお、一言でキャッチと書いてますが、

  • パスキャッチした場合
  • ドリブルからボールを保持した場合

の両方を含めて、キャッチという表現にしています。

静止した状態でボールをキャッチするケース
1.両足をフロアにつけたままボールをキャッチ

勘違いが多いのがこのケースです。

何歩歩いた?という考え方だと

「まだ、動いてないから0歩でしょ?」

と思ってしまいますが、バスケのルール上はこの時点で1歩カウントされています。

したがってこの状態から、1歩、2歩と歩くと「トラベリング!」となります。

この場合、ピボットフットはどうなっている?

実は、両足をフロアにつけたままボールをキャッチした状態では、まだピボットフットが決まっていません。

どちらかの足をフロアから離した瞬間に、離してない方の足がピボットフットとなります。

つまり、両足でキャッチ後、右足で一歩踏み出した場合には、左足がピボットフットとなります。

では、両足同時にフロアから離してジャンプした場合には?

ピボットフットは決まらないのですが、この時点でピボットフットを離した状態になります。

よって、ジャンプした状態からパスやシュートを行わずにそのままボールを持って着地した場合はトラベリングとなります。

2.片足をフロアにつけた状態でボールをキャッチ

動きがない状態で片足だけで立っているというのは想像しにくいですが、この場合はフロアにつけている足がピボットフットとなります。

つまり、その足をフロアから離す前にドリブルを開始する必要があります。

一旦そのピボットフットをフロアから離した際にはその足をもう一度フロアつける前(両足でジャンプした場合には、どちらかの足がフロアにつく前)に、

  • パス
  • シュート

をしなければいけません。

動きながらボールをキャッチするケース

この部分が今回の改訂で、大幅に変更となった箇所です。【補足】として以下の文言が追記されました。

【補足】 動きながら足がフロアについた状態でボールをコントロールした場合、フロアについている足は0歩目とし、その後2歩までステップを踏むことができる。その場合、1歩目がピボットフットになる。

いわゆるゼロステップと言われるものです。あくまでも「動きながら」というのが条件ですが、ボールキャッチと同時にフロアについている足(両足も可)は、歩数にカウントしない0歩目になるということです。

その後、1歩目で止まるケース2歩目まで行くケースでピボットフットの考え方が変わってきますの注意が必要です。

1歩目で止まるケース

こちらは、1歩目が片足なのか両足なのかでピボットフットの考え方が異なります。

①1歩目が片足の場合

0歩目の足がピボットフットとなります。

例えば、右足(0歩目)をフロアにつけている状態でボールキャッチし、左足(1歩目)をついて止まった場合には右足がピボットフットとなります。

つまり、改訂前と同じ考え方ですね。

②1歩目が両足の場合

これは、次の2歩目を踏み出したときに残している足がピボットフットとなります。

右足(0歩目)をフロアにつけている状態でボールキャッチし、両足(1歩目)をついて止まる。その後、どちらの足から踏み出してもよいのですが、例えば、右足(2歩目)を踏み出した場合には、左足がピボットフットとなります。

2歩目まで行くケース

こちらは1歩目がピボットフットとなります。

①1歩目、2歩目を片足ずつ着地した場合には、1歩目がピボットフットとなります。

②1歩目を両足で着地した場合には、どちらの足で2歩目を踏み出してもよく、残した足がピボットフットになります。その後、両足でジャンプした場合には、着地する前にボールから手を離す必要があります、

よくパスを受ける時に「ミートしろ!」といいますが、上記①、②がまさにミートです。

①のような片足ずつ着地することをスライドストップ(もしくは、ストライドストップ)

②のような両足で着地することをジャンプストップ

と言います。

1点気を付けなければならないのが、この流れのままドリブルに持ち込むケースです。

2歩目で明確に止まれば、1歩目のピボットフットを離す前にドリブルを開始すればOKなのですが、

0歩目が適用され一連の動きの中でのドリブルの場合、2歩目がフロアにつく前にボールをリリースしなければならない。

という記述があり、2歩目も止まらずにドリブルしていくケースでは、2歩目をフロアに着ける前にボールから手を離してドリブルを開始する必要があります。

ギャロップステップ

ギャロップステップは、動きながらボールをキャッチする動作のひとつとしてバスケットボール競技規則の中に明記されています。

プレーヤーは1歩目のステップで踏み切り、両足で同時に着地してもよいが、どちらの足でもピボットすることはできない。片足または両足のいずれかがフロアから離れたときには、足がフロアにつく前にボールを手から離さなくてはならない。

ちなみにこのギャロップステップについては、別の記事でより詳細に紹介していますので、ご参照ください。

ギャロップステップとはなんぞや

レイアップシュート

1歩、2歩、シュートのレイアップシュート、俗に言う庶民シュートですが、今回の新ルールでは以下の文言も追記されました。

ドリブルを終えたあと、あるいはボールをコントロールしたあとに、連続して同じ片足でフロアに触れたり、連続して両足でフロアに触れてはならない

ご存知なかった方のほうが多いかもしれませんが、実は今までは片足のケンケンで、レイアップシュートというのはOKだったのですが、これがNGと明記されました。

ちなみにこのレイアップシュートの2歩目が両足着地の場合には、先に説明したギャロップステップになります。

つまり、ギャロップステップとこの1歩、2歩でレイアップシートにいく動作は、一連の動作としてピボットフットという概念を失くしたものとお考えください。

転倒時

プレーヤーがボールを保持したまま転倒した場合の規程もあります。

25-2-2 プレーヤーがフロアに倒れること、横たわること、座ること:
・ボールを持ったままフロアに倒れたり滑ったり、あるいはフロアに横たわったり座ったりしている状態で、ボールをコントロールすることは認められている。
・その後にボールを持ったまま転がるか、立ち上がることはバイオレーションである。

つまり、転倒しすべっていっただけではトラベリングにはならないということです。

その後、立ち上がったり、転がったりするとトラベリングになります。

突き出しのトラベリング

トラベリングの中で一番多いのがこのケースだと思います。

自分もやってしまいますが、熟練したプロでもやってしまうのを見かけます。ドリブルの動作を素早く行うことと、トラベリングは紙一重なのです。

突き出しとは、ボールを持った状態からドリブルを始める動作のことで、フリーフットとともにボールを前に突き出すことからこのように呼ばれているのだと思います。

この突き出しは、目の前のディフェンスを1歩で抜き去る際に使用する動作であることから、すばやい動作が求められます。

このすばやい動作をやろうとするとボールをついてからピボットフットを離すまでの時間が非常に短くなります。

そして、すばやさを優先させすぎると、ピボットフットのほうを先に離してしまいトラベリングとなるのです。

もうひとつは、ピボットフットを間違えて突き出してしまうケースもあります。

そんなことあるの?

と思う人がいるかもしれませんが、これも良くあるケースです。

具体的には、上記のミートで説明したスライドステップの後、先についた足を出してドリブルを始めてしまうというものです。

本人はジャンプストップのつもりでミートしたにもかかわらず、片足ずつ降りていた、なんてときに発生するのかもしれません。

突き出しのトラベリングの解消方法

ここまで、「ボールをつく」というざっくりとした表現をしてきましたが、具体的には、ボールから手を離すという行為になります。

つまり、

1.ボールから手を離す

2.ピボットフットを離す

ことで、ドリブルを開始することができます。

逆に、

1.ピボットフットを離す

2.ボールを手から離し、再度自分の手に触れる

と、トラベリングとなります。

「ボールを手から離してから、ピボットフットを離す」

を意識して、何度も練習して体に染み込ませるしかないんでしょうね。

もし、良い方法がありましたら、コメントください。

それにしても、ゼロステップが採用されることで実質1歩増えることになるケースが出てくることから、審判の方も相当負担が増えるのではないでしょうか。

自由度が上がった分、競技規則では想定していなかった動きなども今後出てきそうな予感です。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

バスケ315!

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ひできち

投稿者: ひできち

40歳過ぎた今でも週2回バスケをこなすバスケ好き。 B.LEAGUE開幕により、日本バスケの人気復活に期待しており、自称日本バスケ普及推進委員。 現在、バスケ部所属の二児の父親でもあり、バスケ一家を支えるべく日々奮闘中。

「【バスケ】トラベリングのメカニズム」への6件のフィードバック

  1. 1.ボールから手を離す
    2.軸足を離す
    3.ボールが床につく

    セーフだと思ってました。

    自分がトラベリング吹かれるときは
    1軸足離す
    2ボールを手から離す
    の行為をしてしまってるかと思ってたが状況を知って納得しました。

    床にボールが着いてからでないとトラベリングになるんですね。

    また、以前の大会でドリブルを残してジャンプしてしまい、シュートパスどちらも出来ずにドリブ した際にトラベリングを申告され不満でしたが、納得しました。

    勉強になりました。ありがとうございます。

    1. ゆうぺたさん

      コメントいただきありがとうございました。

      私も疑問に思い、調べて納得した覚えがあります。

      指導としても、足を残しながらドリブルを低く突き出すことで、トラベリングを防ぐということがやられているようです。

  2. 1.ボールから手を離す
    2.軸足を離す
    3.ボールが床につく

    これセーフですよ!

    床にボールが着くタイミングは トラヴェリングの成立には なんら関係ありません。

    ポイントは 軸足が床から離れる前にボールを手放しているかどうか? です。

    先に軸足が床から離れて…

    で その後にボールを手放す…

    そして 床に着いて弾んだボールに再び触れる…

    この瞬間が トラヴェリングの成立時期です。

    間違って欲しくないのは ボールを手放した時は まだトラヴェリングは成立していないってことです。

    何故なら バウンドパスは許されるからです。

    1. 師匠!さん

      コメントいただき、ありがとうございます。

      いただいたコメントをもとに競技規則を読み直してみました。
      結論から申し上げますと師匠!さんのご指摘どおりだと思いました。

      言い訳させてもらうと私の中で、「軸足を離す前に”ドリブルを開始”する必要がある」と思い込んでおり、”ドリブルの開始”は、24.1.2に記載の通り”ボールを床に触れさせる”となっていたので、そのように考えていました。

      が、競技規則のトラヴェリングの箇所を再度読んでみると「ドリブルを始めるためには、・・・ボールを手から離さなければならない」と書かれていることから、”ドリブルの開始”が要件ではなくて、”ドリブルを始めるためにはボールから手を離す”ことが要件となっていることがわかりました。

      ややこしいですが。

      「バウンドパスは許されるからです。」

      の部分がよくわからなかったのですが、パスであればバウンドでなくても軸足が離れていても問題ないですよね?
      要は軸足が離れた後にボールから手を離した場合、パスなのかドリブルなのかは、その後誰かがボールに触れる(もしくは誰も触れないでコートからでる)までは判別できないという話だと理解しました。

      貴重なご意見をいただいたことで、また自分の中の認識違いが1つ解消されました。
      本当にありがとうございました!

      なかなか人に聞くこともできないので、こういったことが議論できる場があると非常に良いのですが。

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