【バスケ】トラベリングのメカニズム

[公開日]
[更新日] 2017/10/13

バスケットボールをプレーする人なら誰もが悩むのがトラベリングの判断です。

特に最近は、ルールに規定されていないゼロステップなどという概念も出てきており、その境目は非常にあいまいになってきています。

そこで、まずは基本のルールに立ち返り、トラベリングの考え方をおさらいしてみましょう。

※FIBAのルール改訂に伴い、トラベリングのルールが少し変わります。Bリーグでは2017-18シーズンからすでに採用されているようですが、国内大会では2018年4月より採用されるようです。本記事では、改訂前の内容をもとにしていますが、最後に改訂内容について追記しています。

3歩の基準

バスケットボールには、「3歩以上歩いてはいけません。」というルールがあるのはたいていの人は知っているかと思います。

ただ、その3歩の基準の認識が間違っている場合が多いように思います。

少なくとも、バスケットボール競技規則には、3歩ということはどこにも書かれておらず便宜上一言で言うと3歩ということになるのだと思います。

バスケットボールには、軸足(ピヴォットフット)という考え方があり、軸足を離さない限りは逆の足(フリーフット)で何歩でも動くことが許されています。

これをピヴォットといいます。

逆に、軸足を離した後の動作として、パスしたりシュートしたりすることは可能ですが、

  • ドリブルを開始する
  • 軸足を再度床につける

とトラベリングということになります。

これがトラベリングの基本的な考え方です。

したがって、何歩歩いた?と考えるよりも軸足はどうなっている?と考えたほうが遥かにわかりやすいと思います。

では、軸足の考え方をボールをキャッチした状況ごとに、解説したいと思います。

1.両足を床につけたままボールをキャッチした場合

勘違いが多いのがこのケースです。

何歩歩いた?という考え方からすると、

実は、この時点で1歩カウントされています。

したがってこの状態から、1歩、2歩と歩くと「トラベリング!」となります。

この場合、軸足はどうなっている?

実は、両足を床につけたままボールをキャッチした状態では、まだ軸足が決まっていません。

どちらかの足を床から話した瞬間に、離してない方の足が軸足となります。

つまり、両足でキャッチ後、右足で一歩踏み出した場合には、左足が軸足となります。

では、両足同時に離してジャンプした場合には?

軸足は決まらないのですが、この時点で軸足を離した状態になります。

よって、ジャンプした状態からパスやシュートを行わずにそのままボールを持って着地した場合はトラベリングです。

2.片足を床につけた状態でボールをキャッチした場合

床につけている足が軸足となります。

その後の動きには特に制限はありませんが、一旦その軸足を床から離した際には、やはり、

  • パス
  • シュート
  • ジャンプ

以外はできません。

3.空中でボールをキャッチした場合

軸足は、着地後に決まります。

①両足で着地した場合には、1.と同じ状態になります。

②片足ずつ着地した場合には、最初についた足が軸足となります。

よくパスを受ける時に「ミートしろ!」といいますが、上記①、②がまさにミートです。

①をジャンプストップ

②をスライドストップ(もしくは、ストライドストップ)

と言います。

ギャロップステップ

(2017.01.27追記)

バスケットボール競技規則の中では、ギャロップステップの動作が次のように明記されています。

25.2.1(2) 動きながらボールを受け取ったプレイヤーあるいはドリブルをしていたプレイヤーが片手または両手でボールをつかんで止まった場合のピヴォット・フットは、次のように決まる。
①ボールをつかんだときに、どちらかの足が床についていた場合、
 (b)先に床についていた足でジャンプして次に両足を同時に床につけたときは、ピヴォットをすることはできない(この場合、どちらの足もピヴォット・フットとすることはできない)
②ボールをつかんだときに、両足が床から離れていた場合
 (c)どちらかの足を床につけてその足でジャンプして次に両足を同時に床につけた場合は、ピヴォットをすることはできないこの場合、どちらの足もピヴォット・フットとすることはできない)

ちなみにこのギャロップステップについては、別の記事でより詳細に紹介していますので、ご参照ください。

ギャロップステップとはなんぞや

レイアップシュートの謎

ここまで見てきた規則を振り返ってみて気がついた人もいるかもしれませんが、

「じゃあ、レイアップシュートってなんなのよ。」

と。

空中でボールを保持して、1歩、2歩、シュート。スラムダンク風に言うと庶民シュートですね笑。

「1歩目がピヴォット・フットになるのなら、その足を床から離した後に2歩目の足を床に着いたらトラヴェリングでしょ。」

確かにこれまで見てきたルールでは、そのようになります。

しかーし、実はレイアップシュート(パスでも良いのですが)に関しては、特別規程があります。

25.2.2 プログレッシング・ウィズ・ザ・ボール
(3)動きながら片足が床についているときにボールを受け取った後、あるいは空中でボールを受け取って片足を床につけたあと
②その足(片足)でジャンプしてふたたび片足(どちらの足でもよい)を床につけた場合は、ボールを持ったまま残りの足を床につけることはできないし、ドリブルを始めることもできない。さらにもう一度その片足でジャンプした場合には、次にどちらかの足が床につく前にボールを手から離さなければならない。

-JBA 2015~ バスケットボール競技規則より引用-

この規則によって、1歩、2歩、シュートのレイアップシュート、俗に言う庶民シュートは許されているわけです。

注意してほしいのはあくまでも「片足」ということです。1歩目が両足になってしまってはこの規定の範囲外です。つまりはトラヴェリングとなります。

ちなみに2歩目が両足の場合には、先に説明したギャロップステップになります。

つまり、ギャロップステップとこの1歩、2歩でレイアップシートにいく動作は、一連の動作として軸足という概念を失くした例外規定と考えてください。

突き出しのトラベリング

トラベリングの中で一番多いのがこのケースだと思います。

自分もやってしまいますが、熟練したプロでもやってしまうのを見かけます。ドリブルの動作を素早く行うことと、トラベリングは紙一重なのです。

突き出しとは、ボールを持った状態からドリブルを始める動作のことで、フリーフットとともにボールを前に突き出すことからこのように呼ばれているのだと思います。

この突き出しは、目の前のディフェンスを1歩で抜き去る際に使用する動作であることから、すばやい動作が求められます。

このすばやい動作をやろうとするとボールをついてから軸足を離すまでの時間が非常に短くなります。

そして、すばやさを優先させすぎると、軸足のほうを先に離してしまいトラベリングとなるのです。

もうひとつは、軸足を間違えて突き出してしまうケースもあります。

そんなことあるの?

と思う人がいるかもしれませんが、これも良くあるケースです。

具体的には、上記のミートで説明したスライドステップの後、先についた足を出してドリブルを始めてしまうというものです。

本人はジャンプストップのつもりでミートしたにもかかわらず、片足ずつ降りていた、なんてときに発生するのかもしれません。

突き出しのトラベリングの解消方法

ここまで、「ボールをつく」というざっくりとした表現をしてきましたが、厳密にいうと、ボールが床についてから軸足を離す必要があります。具体的には、ボールから手を離すという行為になります(競技規則の第25条トラヴェリング参照)。

つまり、

1.ボールから手を離す

2.軸足を離す

ことで、ドリブルを開始することができます。

逆に、

1.軸足を離す

2.ボールを手から離し、再度自分の手に触れる

と、トラベリングとなります。

3.ボールが床につく

これは、トラベリングになります。

なので、色々な文献で見かける指導法としては、

軸足を残すことを意識して、ボールを低く突き出す

ということが言われています。

つまり、低く突き出せば手からボールが離れてから床にボールが着くまでの時間が短くなるので、その分、上記のようなトラベリングが減るという考え方です。

ミニバスでもこの考え方で、低学年の子供たちに教えるのですが、頭では分かっていてもなかなか体と連動しないようで。

2017.09.12 師匠!さんよりいただきましたコメントをもとに修正いたしました。

「ボールを手から離してから、軸足を離す」

を意識して、何度も練習して体に染み込ませるしかないんでしょうね。

もし、良い方法がありましたら、コメントください。

2017年の改訂内容(トラベリング)について

2017年8月15日付でFIBAで承認されたルール変更を受けて、日本のバスケットボール競技規則が変更されます。その中にトラベリングに関する内容が含まれていますので、ここで紹介しておきます。

具体的には、トラベリングのルールに以下の点が追加されます。

動きながら片足が床についてボールを受け取るときやドリブルをしていたプレイヤーがドリブルを終えるとき、床についている足の「次の足(他方の足)をピヴォット・フット」とする。

要は、今までゼロステップと言われていたものが正式に認められることになるのだと解釈しています。これまでは暗黙的に許されていた部分もあったので、これでスッキリするということだと思います。

先進的なチームはすでに取り入れていたと思いますが、これまで採用に二の足を踏んでいたチームは積極的に取り入れた練習をした方が良いですね。実質1歩多く使えるようになりますので、オフェンススキルの幅が大きく変わります。

個人的には、ギャロップステップのルールの意味がなくなる気がするので、そことの兼ね合いがどうなるのかが気になります。

このルールは、国内大会では2018年4月以降に採用となるそうです。

詳細は下記をご参照ください。

バスケットボール競技規則の一部変更のお知らせ

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

バスケ315!

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ひできち

投稿者: ひできち

40歳過ぎた今でも週2回バスケをこなすバスケ好き。

B.LEAGUE開幕により、日本バスケの人気復活に期待しており、自称日本バスケ普及推進委員。

現在、バスケ部所属の二児の父親でもあり、バスケ一家を支えるべく日々奮闘中。

「【バスケ】トラベリングのメカニズム」への5件のフィードバック

  1. 1.ボールから手を離す
    2.軸足を離す
    3.ボールが床につく

    セーフだと思ってました。

    自分がトラベリング吹かれるときは
    1軸足離す
    2ボールを手から離す
    の行為をしてしまってるかと思ってたが状況を知って納得しました。

    床にボールが着いてからでないとトラベリングになるんですね。

    また、以前の大会でドリブルを残してジャンプしてしまい、シュートパスどちらも出来ずにドリブ した際にトラベリングを申告され不満でしたが、納得しました。

    勉強になりました。ありがとうございます。

    1. ゆうぺたさん

      コメントいただきありがとうございました。

      私も疑問に思い、調べて納得した覚えがあります。

      指導としても、足を残しながらドリブルを低く突き出すことで、トラベリングを防ぐということがやられているようです。

  2. 1.ボールから手を離す
    2.軸足を離す
    3.ボールが床につく

    これセーフですよ!

    床にボールが着くタイミングは トラヴェリングの成立には なんら関係ありません。

    ポイントは 軸足が床から離れる前にボールを手放しているかどうか? です。

    先に軸足が床から離れて…

    で その後にボールを手放す…

    そして 床に着いて弾んだボールに再び触れる…

    この瞬間が トラヴェリングの成立時期です。

    間違って欲しくないのは ボールを手放した時は まだトラヴェリングは成立していないってことです。

    何故なら バウンドパスは許されるからです。

    1. 師匠!さん

      コメントいただき、ありがとうございます。

      いただいたコメントをもとに競技規則を読み直してみました。
      結論から申し上げますと師匠!さんのご指摘どおりだと思いました。

      言い訳させてもらうと私の中で、「軸足を離す前に”ドリブルを開始”する必要がある」と思い込んでおり、”ドリブルの開始”は、24.1.2に記載の通り”ボールを床に触れさせる”となっていたので、そのように考えていました。

      が、競技規則のトラヴェリングの箇所を再度読んでみると「ドリブルを始めるためには、・・・ボールを手から離さなければならない」と書かれていることから、”ドリブルの開始”が要件ではなくて、”ドリブルを始めるためにはボールから手を離す”ことが要件となっていることがわかりました。

      ややこしいですが。

      「バウンドパスは許されるからです。」

      の部分がよくわからなかったのですが、パスであればバウンドでなくても軸足が離れていても問題ないですよね?
      要は軸足が離れた後にボールから手を離した場合、パスなのかドリブルなのかは、その後誰かがボールに触れる(もしくは誰も触れないでコートからでる)までは判別できないという話だと理解しました。

      貴重なご意見をいただいたことで、また自分の中の認識違いが1つ解消されました。
      本当にありがとうございました!

      なかなか人に聞くこともできないので、こういったことが議論できる場があると非常に良いのですが。

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