こんにちは!
色々あって男子のミニバスのコーチをやることになり、1ヶ月経ちました。
実際にやってみて分かったことがあります。
コーチングのフィロソフィーや練習方法について考えていることをありのままに書くことで、自分の考えを整理したり振り返ってみたり、また少しでも私と同じ新米コーチの方のお役に立てられればという思いです。
パワハラの麻薬効果について
怖いタイトルをつけていますが、ミニバスにおける「パワハラの麻薬効果」について説明します。
現在、JBAからの方針が出てきているのですが、「暴言・暴力・パワハラの撲滅」のため、大きく制度が変わろうとしています。
今までの閉鎖的なミニバスの文化にようやくメスを入れようとしているのです。
実際にコーチをやってみて分かったのですが、やっぱり「暴言・暴力・パワハラ」による指導は子供たちに言うことを聞かせるために一番手っ取り早い手段なのだと実感しました。
「実感しました」
というのは、決して自分がそれをやっているわけではなく、やらないから苦労しているということです。
恐怖で支配することで、まだ幼い子供たちは反抗できずに簡単に言うことを聞きます。
それに対して親が反抗することは、非常に難しいです。
何故かというと、
・子供の人事を握られている(親はやっぱり自分の子が一番大事)。
・集団心理として、言うことを聞かない自分が悪いような雰囲気になる。
・嫌なら辞めるしかないが、他に移籍できないためバスケを辞めさせるしかない。
ということなのです。
こういったことが各地のミニバスで繰り返されてきたんでしょうね。
少し脱線してしまいましたが、私は、子供たちに言うことを聞かせるというよりも
どうやって、子供たちのやる気を引き出すか。
ということがコーチに課せられた一つの役割だと理解しています。
これは非常に難しい命題なのですが、名コーチといわれる人はこれができる人なんだと思います。
そして、その考えを放棄したやり方が「暴言・暴力・パワハラ」なんだと理解しました。
つまり、「暴言・暴力・パワハラ」は「即効性のあるクスリ」=「麻薬」なのです。
クスリは、やり続けないと効果が切れてしまいますよね。
では、「暴言・暴力・パワハラ」でいうことを聞かせられていた子供たちは、それをやらない環境に入るとどうなるんでしょうか。
怒鳴らない人の言うことは聞かない?
自分で考えたことがないため思考停止してしまう?
で、一番怖いのはその指導を受け続けることによって、成長するとそれを有り難く感じてしまい、自分が大人になっても同様の指導をしてしまうということです。
それが、ミニバスだけでなくスポーツ界全体で繰り返されてきたことなのです。
最近はようやくそのような指導に疑問が投げかけられ、名門といわれるチームや各スポーツ協会内での問題が表面化してきていますよね。
「暴言・暴力・パワハラ」は麻薬と同じくらい罪深いことだという認識を持ってもらいたいですね。
時間の使い方について
当たり前ですが、時間は有限です。
バスケは習慣のスポーツと言われるように、瞬時の判断と動作が求められ、ある状況において習慣づけられた動作を思考と同時(もしくはそれよりも早く)に身体が勝手に反応するようになることが求められていると言われています。
現状の練習では、この習慣化に最も時間が費やされることになります。
ミニバスの練習時間も当然有限なのですが、やらなければならないことは山積みです。
そこでやるべきことに優先順位をつける必要が出てきます。
まず考えるべきことは何か?
バスケに限られた話ではないのですが、運動に必要となるスキルは年代によって効率的に身につけられるものと非効率なものがあります。
よく言われているのが、ゴールデンエイジ(プレゴールデンエイジを含めて)と言われている3歳から12歳までの間は最も運動神経系が発達すると言われており、それ以降はあまり発達しないことが分かっています。
そして、12歳までに習得した運動神経系の技能をそれ以降で習得しようとするとその何倍も時間がかかると言われています。
逆に心肺系の機能は、13歳以降の方が発達が大きいと言われています。
つまり、12歳までに運動神経系の技能の伸ばすためにいろんな動作を経験しておくことがその子の将来のためにも良いとされています。
これはバスケだけに限った話ではないので、12歳以降別のスポーツをやるとなった時にもその経験が大きく左右すると思われます。
一方、小学生のうちにがんがん走らせて心肺機能を鍛えようとしても時間効率が悪いということです。
余談ですが、ミニバスのルールもこれに則った形になっているのかなぁと思いました。
1Qが大人よりも短い上に、4Qすべてに出場することはできない。
つまり、心肺機能をそれほど求めないルールになっているのかなと。
これはあくまでも推測ですが。
では、運動神経系の練習ばかりやっていればよいのか?
私は、試合の勝敗にこだわらなければ小学生のうちはこれだけでよいと思っています。
しかし、
バスケは競技スポーツであり、勝敗というものが常につきまといます。
そして、子供たちは(大人もそうなのかもしれませんが)、負けず嫌いで試合に勝つと非常に喜びよりバスケが楽しくなるでしょうし、感情の強い子は負けると悔し泣きします。
やっぱり、勝ちたいんですよ。
さらにミニバスはチームスポーツなので、チームメンバーとの絆や喜びの共有といった子供たちが集団の中での振る舞いを学ぶ機会でもありますので、個人的な技能だけを磨く場としては相応しくないですよね。
じゃあ、どうしたらいいのか。
自分はバスケの試合に勝つために必要なものは、ある程度の個人技能とバスケに対する思考能力だと思っています。
すみません。いい言葉が見つからなかったので「バスケに対する思考能力」と表現しましたが、もしかしたら巷で言われている「バスケIQ」というものと等価なのかもしれません。
要はオフェンス時の状況判断、ディフェンス時の状況判断、チームの決め事に対する理解と応用といった感じのものです。
そして、これは完全に持論ですが、
個人技能 < バスケIQ
だと感じています。
つまり、ある程度基本的な技能を持っていれば、後はバスケに対する考え方が優れているチームが勝利に近いんだと思います。
冒頭にお話ししました瞬時の判断と動作についてもこのバスケIQがあるからこそ正しい動作ができるので、何も考えずに動いていても意味がありません。
つまり、個人技能ばかりに時間を割いていると、実はチームとしてはなかなか勝てなくなってしまうということです。
なので、ミニバスの有限な練習時間の中で、どのような練習に時間を割いていくかは、この個人技能の育成とバスケIQの育成の2つのバランスを考える必要があるのかなと思います。
後者に関していえば、リバウンド時のボックスアウトなど意識さえしていればある程度やれる部分もあります。
なので、体を動かす練習だけでなく座学ということも重要となってくるかもしれません。
体育館が使用できないときなどは、この座学というのも有効な時間の使い方かもしれませんね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
バスケ315!
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